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登録日:2025年03月20日

まもなく4月の繁忙期に突入!新年度における人事労務業務のポイントを解説
4月は人事労務担当者の繁忙期です。多くの顧問先の手続きを代行する社労士事務所においては4月よりも、労働保険年度更新、算定基礎届が重なる7月が繁忙期のピークとなりがちですが、事業の人事労務担当者にとって4月は多忙を極める繁忙期であることは確かです。

本コラムでは4月からの新年度に向けた準備として、新年度に特化した人事労務業務のポイントを解説しますので、4月の繁忙期を迎えるのが不安な担当者はもちろん、社労士業界の方、これから社労士業界への転職を検討している方も是非参考にしてください。

4月が繁忙期となる理由

令和3年経済センサス活動調査によると、事業所の約30%が決算期を3月とし、次いで9月が約9.5%、12月が約7%となっています。
(参考)経済センサス‐活動調査|政府統計の総合窓口(e-Stat)
このことから、事業年度の始まりを4月としている事業所が最も多いと分かります。また、新卒一括採用は4月、10月となることも相まって、規模の大きい事業ほど3月から4月にかけて、人員の入れ替わりが他の月に比べて多く発生することになります。

さらに、年度替わりのタイミングで社内の人員配置が改められ、新体制のスタートとともに繁忙期に入ることも想定されます。引継ぎが充実している、もしくは経験豊富な実務担当者に任せられる職場であればいいですが、そうでない場合は不慣れな中で慌ただしさにのまれしまい、手続きにもれが生じることが想定されます。

こういったヒューマンエラーを出来る限り回避するためには、4月に発生する業務の全体像を把握し、優先順位をつけることが重要です。

4月に発生する業務の全体像把握と優先順位付け

ここからは、新たな採用者と退職者別に、発生する手続きのポイントをお伝えします。

新規採用者の手続き

● 社会保険の資格取得 
● 雇用保険の資格取得
● 給与マスタの登録のほか、勤怠管理システム、明細配信システムの設定
● 特別徴収切替依頼届出書の提出
社会保険・雇用保険の手続き
社会保険の資格取得届提出を優先しましょう。現在ではマイナ保険証が主となりますが、特に資格確認書の発行を希望する従業員の手続きが遅れると、入社早々不信感を抱かれかねません。

いっぽう、雇用保険の資格取得届については、マイナ保険証・資格確認書とは異なり手続き遅れが即従業員の不利益とはなりません。もちろん、社会保険・雇用保険のいずれも速やかに手続きできるのが理想的ですが、優先順位は社会保険>雇用保険です。
マスタ整備
給与計算システムに従業員マスタを登録する必要がありますが、これは給与計算に着手するまでに完了すればよいため、社会保険などの手続きよりも処理期間に余裕があります。

給与計算システムのほかにも、勤怠管理システムや明細配信システムなども導入している場合、勤怠管理システムは入社前に設定が必要ですし、明細配信システムも給与計算システムのマスタ登録とあわせて早めに完了させておきましょう。

いざ給与計算の時期になって、「手当額が不明」「交通費の届出が出ていない」など、確認の手間が生じると慌てて給与計算にミスが発生しかねません。そのため、社会保険などの手続きと並行して、早期の情報収集完了に取り組みましょう。
住民税の手続き
6月からの特別徴収に間に合うよう、速やかに特別徴収切替届出書を提出します。現年度分について特別徴収の継続となっている場合、通知書が届いたら給与マスタに登録し、徴収・納付漏れがないようにしましょう。

退職者の手続き

● 社会保険の資格喪失
● 雇用保険の資格喪失
● 源泉徴収票の発行
● 住民税一括徴収、異動届の提出
社会保険・雇用保険の手続き
雇用保険の資格喪失届・離職証明書(離職票)提出を優先しましょう。退職者は離職票を受け取ってからでないと失業給付の手続きができないため、離職票の発行が遅れると退職者の不利益に直結します。発行が遅れると退職者から離職票の発行を催促されることにもつながり、そういった個別の対応の時間すら繁忙期には惜しいものです。

給与が確定していない場合には、最終月の給与は「未計算」と記入すれば提出できますし、そもそも給与の締日以外で退職した場合も「未計算」で問題ありません。

また、社会保険の資格喪失証明書は社内で発行するものなので、3月のうちに作成のうえ、退職日に出勤する従業員には直接渡す、それ以外は郵送しておくと4月の業務負担を少し軽減できます。もちろん、社会保険の喪失届も、離職票の手続きが終わり次第速やかに提出しましょう。採用時と優先順位が逆転することも知っておきましょう。
源泉徴収票の発行
給与計算が確定したら、給与明細とあわせて源泉徴収票も発行のうえ、メールや郵送などで本人へ渡しましょう。
住民税の手続き
特別徴収継続の場合は優先して異動届を提出しましょう。その他についても異動届の提出が遅れると、納付する総額は変わらないものの、特別徴収であれば毎月の徴収額、普通徴収の場合は期ごとの納付額が大きくなりいずれも本人の負担が大きくなるため、こちらも退職後速やかに提出しましょう。

業務分担に応じたチェックリストで4月を乗り切ろう

新規採用者・退職者についての手続きについてのポイントを優先順位と共に解説しました。新規採用者は社会保険の資格取得を、退職者は離職票の発行を最優先に、そのほかの手続きも漏れることがないよう、実務担当者の人数・分担業務に応じて、進捗状況が一目でわかるようにチェックリストを作成の上、担当者一丸となって繁忙期をミスなく乗り切りましょう。