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登録日:2024年08月10日

社労士事務所で働きながらの試験勉強はおすすめ?難しい?
社労士を目指す方の中には「社労士事務所で働きながら試験勉強をしたい」と、
社労士事務所への転職を考えている方も多いのではないでしょうか?

本記事では、社労士事務所で働きながらの試験勉強はおすすめなのか?注意すべき点はあるのか?についてまとめました。

社労士事務所で働きながら試験勉強をするメリット

実務に触れながら知識を身につけられる
最大のメリットは、社労士としての実務に触れながら知識を身につけることができる点です。

就業規則の作成、勤怠管理や社会保険の手続きなど、テキストや講義で学習するだけではわからないリアルな労働問題や実務に触れることで、
格段に理解が深まることでしょう。

社労士事務所で勤務すると最新の法改正についても情報のキャッチアップや理解は必須となるため、
試験で出題されがちな法改正についても自然と知識が身につきます。

わからないことがあれば経験豊富な先輩社労士にすぐに質問できる環境であることも大きなメリットです。
社労士試験受験への理解がある
一般企業と比べ社労士試験の受験への理解があり、「試験休暇制度」など受験を応援する制度がある事務所も存在します。

中には受験費用を負担してくれる事務所や試験に合格すると資格手当がつく事務所もあり、金銭面でもメリットがあることも。
受験仲間と切磋琢磨できる
社労士事務所には社労士を目指して勉強中の方が多く集まります。

試験勉強の進捗や模試の結果を共有し合うなど、同じ目標を持つ受験仲間とともに働くことで受験勉強のモチベーションを維持できるという方も多いのではないでしょうか。
実務経験があるので合格後、開業への道がひらける
社労士として開業するためには、全国社会保険労務士会連合会に備える社労士名簿に登録を受けなければなりません。

連合会への登録には「事務指定講習」を受講するか、2年以上の実務経験が必要となります。

事務指定講習を受けることで実務経験がなくとも社労士として登録し開業することができますが、事務指定講習は年に一度しか実施されず、
決して安くはない77,000円の受講料もかかります。

合格時に社労士事務所で2年以上勤務した経験があれば、事務指定講習の受講が不要となるため開業までの期間が大幅に短縮され、
費用も抑えることができます。

合格後に開業を目指すのであれば、知識習得という面でも登録までの期間短縮という面でも、
社労士事務所で働きながらの試験勉強はメリットが大きいです。

社労士事務所で働きながら試験勉強をする際の注意点

実務で触れることができるのは試験範囲の一部
実務を体験した分野について理解が深まることは間違いないですが、社労士試験は試験範囲がかなり広く、実際に業務で経験できるのは一部です。

労働問題に強い事務所であれば年金についての相談対応は全く受けていなかったり、社会保険手続きや給与計算代行に特化した事務所であればそれ以外の経験を積むことはできなかったり、試験範囲の全てをカバーできるわけではない点については留意しておく必要があります。

苦手な受験生が多い労一・社一で出題されるような範囲なども実務で触れられるケースは非常にまれです。
試験直前期がちょうど社労士事務所の繁忙期にあたる
社労士試験は毎年8月の第4日曜日に実施されます。

最後にこれまでの復習をしたり模試を受けたり知識を詰め込みたい直前期ですが、残念ながら6月〜7月は労働保険の年度更新や社会保険の定時決定の申請があり、社労士事務所では最大の繁忙期にあたります。

試験直前期に限って残業が続き、なかなか受験勉強の時間が取れないというケースも。繁忙期を事前に把握し、
余裕を持ったスケジュールで試験に備える必要があります。
法律上の規定と実務の間に乖離があるケースも
社労士として法令を遵守することは必須ではありますが、実務では法律通りにはいかないことも。

例えば従業員が社会保険に加入する際、法律上は入社日から5日以内に資格取得届を提出するよう定められています。しかし実際には従業員が必要な情報をなかなか提出してくれず、5日以内に提出ができないというようなケースが多々あります。

実務上は数日遅れたからといってとくに問題にはなりませんが、試験の回答としては「5日以内」が正解です。

法律上の規定と実務上の取り扱いの違いで混乱する恐れもあるので注意しましょう。

まとめ

前述の通り注意点も存在しますが、社労士事務所で働きながらの試験勉強には、
実務を覚えながら資格取得を目指せるという大きなメリットがあります。

また社労士事務所で勤務することで、労働法や社会保険法などの知識だけでなく顧問先企業とのコミュニケーション方法や事務所内での業務の回し方、業務で使用するツールなど、とくに開業を考えている方にとっては必須となる知識も得られます。

合格後に社労士事務所で修行を‥と考えている方は、試験勉強と並行して社労士事務所で経験を積むことを考えてみてはいかがでしょうか。