登録日:2024年11月15日
社労士の実務を経験してなるほど3選!
先月10月2日に本年度社会保険労務士試験の合格発表があり、合格された方、再挑戦の決意を固められた方など様々なドラマがあった10月だったことと思います。晴れて合格された方は今頃事務指定講習の受講を検討しているところでしょうか?再挑戦を決意された方は次の試験に向けての勉強を始められていることと思います。
いずれの場合も、これまでの試験勉強で学んだ内容は実務に活用してこそ初めて生きた知識となります。
そうは言っても社労士試験の勉強範囲は非常に広く、中にはイメージが湧かない、よく分からないまま試験と割り切って丸覚えしたところも少なからずあったはずです。
もちろんこのコラムを書いている筆者もかつては受験生で、受験生時代に割り切ってひたすら覚えた箇所がいくつもあります。そんな私も合格後実務に触れ、そこで初めて「なるほど!」を思うことがいくつもありました。
今回は、そんな私から、社労士実務を経験してなるほど!と思ったポイントを3つ紹介します。試験勉強で得た知識を実務で活用する準備の一環に、再挑戦を含めて次の受験に向けての勉強中の方にも勉強の励みになればうれしい限りです。
いずれの場合も、これまでの試験勉強で学んだ内容は実務に活用してこそ初めて生きた知識となります。
そうは言っても社労士試験の勉強範囲は非常に広く、中にはイメージが湧かない、よく分からないまま試験と割り切って丸覚えしたところも少なからずあったはずです。
もちろんこのコラムを書いている筆者もかつては受験生で、受験生時代に割り切ってひたすら覚えた箇所がいくつもあります。そんな私も合格後実務に触れ、そこで初めて「なるほど!」を思うことがいくつもありました。
今回は、そんな私から、社労士実務を経験してなるほど!と思ったポイントを3つ紹介します。試験勉強で得た知識を実務で活用する準備の一環に、再挑戦を含めて次の受験に向けての勉強中の方にも勉強の励みになればうれしい限りです。
なるほど!その① 1ヶ月単位の変形労働時間制【労働基準法】
多くの試験対策講座で労働基準法は最初に学習する科目で、これぞ社労士!というような興味深く、勉強していても楽しい印象が残っているのが労働基準法です。
そんな労働基準法ですが、どうしても全体を理解できず、不本意ながら割り切って覚えることを選ばざるを得なかったのが1か月単位の変形労働時間制です。
1か月単位の変形労働時間制というと、多くのテキストでは以下のように解説されています。
「勤務表等により日ごとにあらかじめ定められた時間を超えて労働した場合、あらかじめ定められた労働時間が法定労働時間内である場合は・・・法定労働時間を超えている場合は・・・」
「1日について法定外労働労時間とされた時間を除き、1週間の労働時間が(同上)・・・」
「1日、1週間について法定外労働労時間とされた時間を除き、1か月もしくはそれ以下の期間において、平均した1週間あたりの労働時間が(同上)・・・」
特に、例えば6時間勤務のシフトで10時間勤務というような、法定内残業時間と法定外残業時間が混在するような場合、受験生時代の私の脳内は完全にショートしてしまいました。
そんな1か月単位の変形労働時間制ですが、実務を経験した今、自分の言葉で極力シンプルに解説するなら次のように解説します。
A ルールを満たした(※)シフト通りの勤務→法定外残業時間は発生しない
(※対象期間内の1週間あたりの平均所定労働時間が40時間以下)
B 上記のシフトを超えての勤務
①日、もしくは週で法定労働時間を超えて設定したシフト時間を超過して勤務した
→即法定外労働時間となる
②上記で法定内残業時間となった時間+シフトの時間内で勤務した時間ー177.1時間(31日の月の場合)=法定外残業時間
つまり、
①1日、1週間についてシフト時間を超える法定外労働時間
②1か月について上限時間を超える労働時間
の合計が1か月単位の労働時間制を採用した場合の残業時間です。
(参照)1か月単位の変形労働時間制リーフレット|厚生労働省
そんな労働基準法ですが、どうしても全体を理解できず、不本意ながら割り切って覚えることを選ばざるを得なかったのが1か月単位の変形労働時間制です。
1か月単位の変形労働時間制というと、多くのテキストでは以下のように解説されています。
「勤務表等により日ごとにあらかじめ定められた時間を超えて労働した場合、あらかじめ定められた労働時間が法定労働時間内である場合は・・・法定労働時間を超えている場合は・・・」
「1日について法定外労働労時間とされた時間を除き、1週間の労働時間が(同上)・・・」
「1日、1週間について法定外労働労時間とされた時間を除き、1か月もしくはそれ以下の期間において、平均した1週間あたりの労働時間が(同上)・・・」
特に、例えば6時間勤務のシフトで10時間勤務というような、法定内残業時間と法定外残業時間が混在するような場合、受験生時代の私の脳内は完全にショートしてしまいました。
そんな1か月単位の変形労働時間制ですが、実務を経験した今、自分の言葉で極力シンプルに解説するなら次のように解説します。
A ルールを満たした(※)シフト通りの勤務→法定外残業時間は発生しない
(※対象期間内の1週間あたりの平均所定労働時間が40時間以下)
B 上記のシフトを超えての勤務
①日、もしくは週で法定労働時間を超えて設定したシフト時間を超過して勤務した
→即法定外労働時間となる
②上記で法定内残業時間となった時間+シフトの時間内で勤務した時間ー177.1時間(31日の月の場合)=法定外残業時間
つまり、
①1日、1週間についてシフト時間を超える法定外労働時間
②1か月について上限時間を超える労働時間
の合計が1か月単位の労働時間制を採用した場合の残業時間です。
一度この解説を片手に、リンク先の資料をもとに計算してみてください。きっとスッキリするはずです。
なるほど!その② 徴収法
一般常識に登場する法律を除いて、安衛法と並んでイメージしにくいのが徴収法ではないでしょうか。
実際、試験で出題される問題は比較的易しいものが多い印象ですが、徴収法ほど割り切って覚えるに徹した科目はないでしょう。
そんな徴収法ですが、実務では労務ソフトもしく様式に沿って記入・入力を進めていけば労働保険料の計算は難しくはありませんし、成立届等の各種帳票も作成できます。
徴収法で出題されることの多い、元請の分納は建設業の元請の顧問先でない限り実務で触れる機会が少なく、「ふじ色(紫色)の申告書」も様式を見ればなるほど!です。
(引用)令和5年度労働保険年度更新 申告書の書き方|厚生労働省
実際、試験で出題される問題は比較的易しいものが多い印象ですが、徴収法ほど割り切って覚えるに徹した科目はないでしょう。
そんな徴収法ですが、実務では労務ソフトもしく様式に沿って記入・入力を進めていけば労働保険料の計算は難しくはありませんし、成立届等の各種帳票も作成できます。
徴収法で出題されることの多い、元請の分納は建設業の元請の顧問先でない限り実務で触れる機会が少なく、「ふじ色(紫色)の申告書」も様式を見ればなるほど!です。
※リンク先は令和6年度の内容に変わっていますが、画像は令和5年度時点でのパンフレットの内容を引用しています。
徴収法は実務でしっかり復習できるため、試験が終わって忘れてしまってもすぐ取り戻せますのでご安心ください。
徴収法は実務でしっかり復習できるため、試験が終わって忘れてしまってもすぐ取り戻せますのでご安心ください。
なるほど!その③ 算定基礎届・定時決定【健保保険法・厚生年金保険法】
個人的な印象ですが、実務では「定時決定」という言葉を聞くことはほとんどなく、同様に「随時決定」という言葉を用いることもほとんどありません。
実務では算定基礎届を略して「算定」、月額変更届を略して「月変(げつへん・げっぺん)」と言うことがほとんどです。
前置きはさておき、算定の対象外となる次の2つを語呂合わせで機械的に覚えたのではないでしょうか。
①6月1日以降に資格取得した人
②7~9月月変に該当する(予定の)人
自身が通っていた予備校では「む(6)な(7)し(取得)い、泣(7)く(9)かい?(改)」と教わりました。
①について、算定の対象となる賃金は4,5,6月に「支給」された賃金です。そのうえで6月1日以降の資格取得者が対象外となる理由を推測すると、6月1日以降の雇入れられた場合、末締め当月払いでもない限り6月に1カ月分の賃金が支給されることはありません。そのため、どこで対象者の線引きをするかを考えるといたって合理的な線引きでなるほど!と思った次第です。
②について、7~9月月変に該当する場合、理由はどうあれ月変が優先される、と覚えたのではないでしょうか。
7~9月月変に共通するのは、算定に比べて「対象賃金がより最新のものになる」「標準報酬がより早く改定される」のいずれか、もしくは両方に該当するということです。
そのため、「より直近」かつ「より早」く月変の結果を優先することになるほど!です。
実務では算定基礎届を略して「算定」、月額変更届を略して「月変(げつへん・げっぺん)」と言うことがほとんどです。
前置きはさておき、算定の対象外となる次の2つを語呂合わせで機械的に覚えたのではないでしょうか。
①6月1日以降に資格取得した人
②7~9月月変に該当する(予定の)人
自身が通っていた予備校では「む(6)な(7)し(取得)い、泣(7)く(9)かい?(改)」と教わりました。
①について、算定の対象となる賃金は4,5,6月に「支給」された賃金です。そのうえで6月1日以降の資格取得者が対象外となる理由を推測すると、6月1日以降の雇入れられた場合、末締め当月払いでもない限り6月に1カ月分の賃金が支給されることはありません。そのため、どこで対象者の線引きをするかを考えるといたって合理的な線引きでなるほど!と思った次第です。
②について、7~9月月変に該当する場合、理由はどうあれ月変が優先される、と覚えたのではないでしょうか。
7~9月月変に共通するのは、算定に比べて「対象賃金がより最新のものになる」「標準報酬がより早く改定される」のいずれか、もしくは両方に該当するということです。
そのため、「より直近」かつ「より早」く月変の結果を優先することになるほど!です。
最後に
今回、堅い話は抜きに受験時代を振り返って、実務で初めて全体を理解できたポイントを3つ紹介しました。もちろん、今回紹介したのは一部にすぎませんので、機会があればその他にも紹介できればと思います。
ちなみに、筆者が受験した時の合格発表は11月の上旬で、おまけに救済待ちでしたので、なんとも生きた心地のしない、人生で一番長かった2カ月強でした。昨年より試験から1か月強での10月上旬に合格発表となり、モヤモヤ期間が短くなった社労士試験により多くの人が興味を持っていただけるとうれしいな、と思ったところで今回のコラムを締めくくらせていただきます。
ちなみに、筆者が受験した時の合格発表は11月の上旬で、おまけに救済待ちでしたので、なんとも生きた心地のしない、人生で一番長かった2カ月強でした。昨年より試験から1か月強での10月上旬に合格発表となり、モヤモヤ期間が短くなった社労士試験により多くの人が興味を持っていただけるとうれしいな、と思ったところで今回のコラムを締めくくらせていただきます。